GS横島冥土大作戦!!






「おぬし・・・もし、仮にこのゲームに勝ち残ったとしたら何を望む?」

今さっき思わぬ再会を果たし、頭に付けたバンダナが突然問いかける
あまりに突飛な問いかけに横島はあきれて。

「おいおい、どうしたんだ?
仮にこのゲームに乗ったとしても俺が優勝できる訳わけないだろう?美神さんもいるし」

そう、この遊園地には今や師匠となった美神令子がいる。
仮にこのゲームで二人のみになったとしても絶対に勝てないということが魂レベルでインプットされている
まして自分が殺すなんてことはできない。

「それに、美神さんさえいてくれれば、
このふざけたゲームそのものを反則技でぶっ壊してくれそうだしな。
それにしてもどうしたんだ?突然そんな事を言い出すなんて・・・」

もしかしたらこのバンダナは主催者によって性格を変えられ、
このゲームに参加させるようにしむける様にされてるんじゃないかと疑ってしまう

「仮にじゃ、仮にお前が優勝したらどうする?」

やはり怪しい、だがこのままでは話しが進まないのであえて話に乗る事にする。
ふと目の前で死んだ少女のことを思い出す。

「そうだな・・・やっぱりあの女の子を生き返らせて・・・
いや、あの手の悪役はそういう望みは叶えてくれそうもないから・・・
そーだ!メイド!俺専用のメイドとして生き返らせるんだ!
それに俺が優勝したとしたら、みんな殺されてるてことだから、
女の子はみーんなメイドにしてあんなことや、そんなことをご奉仕してもらって・・・」
話がどんどん脱線していって煩悩を膨らませる横島
もはやその時点になったら死んでしまってるはずの男達に関しては頭にはないらしい
それに突っ込みもせずバンダナはただ黙っているだけだった・・・

「冥土がどうしたってェ?そんなに行きたかったら今すぐ連れてってやるよォ。」

横島が妄想を広げているとき、入り口から現れた黒い物体が声をかけてきた
それは見たことのない黒い獣・・・
いや、一番初めに集められた部屋で、こいつとまったく同じ形で金色のの獣が雷を出しているのをみた覚えがある。
だが、この獣はそれよりも一段と禍々しい、それは黒いからという単純な理由ではない、全身から発せられる殺気からだ。

「ちっ、やっぱり男か・・・なんで女の厠に男がいるんだァ?
せっかくうめェ女の肉を食ったばかりだってェのに気がのらねぇなァ。」
「うわ、うわ、うわー!ば、ば、化け物っー!」

突然の来訪者に錯乱する横島、だがバンダナは比較的冷静に

「むむむ、ついに入って来おったか。できればもっと煩悩パワーを溜めておきたかったが・・・」
「お、おい、バンダナ、お前、あいつが近くにいるの気づいてたんか!?
何でもっと早く言わなかった!?こんなところで襲われたら逃げる事もできんぞっ!」

騒ぎ立てる横島、黒い化け物はこの騒ぎを怪訝そうに見ている

「おぬしが大声あげてたから気づかれたのだ!下手にここから出ても殺されるだけ
幸い、この女子トイレから男のお前の声が聞こえたから、
奴も警戒してトイレの周りを探ってたようだったので
少しでも生存確率を上げる為に前のように煩悩パワーを溜めておったのだ。」
「えええええ!?ここ女子トイレ!?」
「驚くところはそこかっ!?」

「でっ?生存確率てどれぐらいなんだ?」

バンダナは素っ気無く

「だいたい0,01%ぐらい」
「確率低すぎるわーっ!」
「とにかくその0,01%に賭けるんじゃわしの言うとおりにしろ!」

「何をごちゃごゃやってるんだァ?見た所その布切れがおめぇの「武器」らしいな
ちっ、肉もまずそうだし武器もたいした事ねェ。
いい所まったくねェな、まぁ贅沢も言ってられねェ、食っちまうか。」

黒い化け物−紅煉 がゆっくりと横島に近づく、横島それに合わせて後づさる
紅煉が五歩ほど前に出た時、

「今じゃー!」
「もう、破れかぶれだーっ!
 必殺っーー!!」

横島が気合とともに一気に前に出る、紅煉は余裕で迎撃しようとするが・・・

「サイキック猫だまし!!」

横島は紅煉の目の前で栄光の手を思いっきり叩き、霊力の光が一気に飛び散る
さすがの紅煉もこれはたまらず怯む
すかさず、横島は一気にトイレの外へ駆け出る

「やったー!出られたー!」
「喜ぶのは早過ぎる!文殊を早・・・!」

バンダナが何かに気づき、言葉が途切れる

「なんだ、お前、門都、急ぐ、お前、邪魔。」

トイレから出た横島の前に現れたのは、
この場所には似合わない密林の部族の付けるような巨大な異型の面を付けた屈強な男だった・・・
「門都、急ぐ、邪魔するなら、お前、今すぐ殺す」

あまりの展開にバンダナさえ絶句する。

「お、おい、バンダナ、もちろん、こ、この展開も予想してたんだろうな!?」

薄々残酷な答えが出てくるのを予想しながら、僅かな光を求めるように答えを求める。

「さすがにこれは予想しとらん、これぞ正しく前門の獅子、後門の虎、諦めろ、
本当に短い間だったが楽しかったぞ。」
「おまえがあきらめてどーするーっ!」

「もう、いい、お前、死ね!」

二人(?)のやり取りを見ていた門都はしびれを切らして横島に迫る、が

     ドカン!

その拳が振り下ろされようとした瞬間、後ろのトイレが突然爆発し、そこから紅煉が姿を現した。
「てめぇ、よくもやってくれたなァ、ん?何だァそいつは?」

「うわあー!!こっちも来たーっ!」

激しく動揺する横島、だがそれは門都も同じだった、

それもそのはず、たった今、自分が逃げている化け物と色以外はまったく同じ化け物が目の前に現れたのだから

「何!さっきの化け物と同じ奴!?馬鹿な!?」

門都は思わず振り向き確認しながら混乱する。

「オレと同じィ?奴が近くにいるのか?」

目を凝らして門都の後ろをみると遥か遠くにおぼろげにに目立つ金色の髪が見える

「なんか二匹とも動きが止まったぞ?よし、今の内に死んだふりを・・・」
「せっかくのチャンスに何を言っておる!早く文殊を出せ!
全ての霊力と煩悩を込めて奴等を「飛」の文殊でぶっ飛ばすぞ!
ここからぶっ飛ばせば、うまくいけば黒い方は結界にぶつけられるかもしれん、
わしが二体を同時にぶっ飛ばせるように調節する!」
紅煉は思考にふける

(普段の力ならまず楽勝の相手だが・・・
力を制限された今、特に武器を持たない状態で戦うのは得策じゃねェ
戦うなら人を喰らい力を付け強力な武器を持って余裕でズタボロにしてやらないと・・・)

「よし出来たぞ、早くこいつを奴らの真ん中に・・・」
バンダナが言い終わらぬうちに紅煉は行動に出る
「厄介な奴が来たからお前らの命は預けてやる、オレに喰われるまで死ぬんじゃねぇぞ。」
と、紅煉は言い残し東の方へ猛スピードで駆けて行く。

「なんかしらんが行ってしまったぞ・・・
まぁいいや、とりあえずこいつで仮面の方を・・・」
いまだ混乱している門都の方へ投げてようとするとバンダナが突然大声をあげる

「待て!そいつは二体をぶっ飛ばすように調節してあると言っただろ!
今投げたら私達もぶっ飛ぶぞ!」
「へ?」
だが投げてる途中でどなられたので驚いて思わず文殊を手から離してしまう横島。
文殊が門都のそばで炸裂し強烈な光を出し、その光は横島をも覆う。
そして二人の体は勢いよく空に舞った。
一方、横島は飛びながらもっとも会いたかった人物を目の端に捕らえた

「み、美神さぁーーーん!!」

だが美神は横島の方には気づかず門都の方を見ている
「こらぁ!バンダナ、止めろ!!美神さんだ!美神さんがいるーっ!!」
「無理だ、全ての力を出し切った、止めたかったら煩悩パワーを溜めろ!」
「この状況で煩悩なんか出るかーっ!!」


その美神は、かなりのスピードで飛んでいく門都を見つけた。
「何?あいつあんな能力あったの!?とにかく奴を追うわよ!」
「ちっ、気が乗らねぇな」
(ん?今こいつを呼ぶ声が聞えた気がしたが・・・まぁいいか)

その場から離れた紅煉はバッドエンドトゥモローへ向かっていた
「ちっ、無駄な時間を使っちまった・・・ん?」
紅煉は眼鏡を着けたまだ幼い少年を見つける

「へへへ!うまそうなガキじゃねぇか・・・
くくくたっぷりといたぶってから喰ってやるかァ。」
新たな美味そうな獲物を目の前にして今さっきの出来事を忘れてしまう紅煉であった。
ザブーン!

横島は運良く池の中に着水した。
「うわぁっぷ、だ、だずげでーっ!」
だが混乱して池で溺れてしまう。
そこへ

「あんたそんなところで、何やってるのよ・・・」

あきれ切った声で話してきたのは
禍々しい槍を持った自分と同じ位の年恰好の童顔の少女だった・・・
【E/2アドベントアドベンチャー 池/開始から50分】
【横島忠夫@GS美神】
[状態]:霊力、煩悩 使い果たす 溺れ中
[装備]:心眼のバンダナ
[道具]:荷物一式 
[思考]:1 美神と合流したい
    2 それはともかくここから出してくれ


【G/6 トゥモローランド /開始から50分】
【紅蓮@うしおととら】
[状態]:不機嫌→獲物を見つけて上機嫌 
[装備]:なし
[道具]:荷物一式(食料&水:4日分) アイテム(不明)
[思考]:1. 新たな美味そうな獲物を見つけて今さっきの出来事を忘れる
    2.ゲームに優勝する
    3.とらと戦うのは力を付け、強力な武器を見つけるまで避ける

【プレイ・ザ・トゥーン 上空移動中/開始から50分】
【門都@烈火の炎】
[状態]:健康 
[道具]:荷物一式(支給品不明)
[思考]:1. 打倒、字伏の為に強力な武器を捜す
    2.とら達から放れ自分の安全を確保したのでとりあえず安心
    3.ゲームを楽しむ

ゲスト
【4F/ザ・ワールド/開始から50分】

【美神令子@GS美神】
[状態]:門都に気づいたが横島には気づかず
[思考]:飛んでいった門都を追いかける

【とら@うしおととら】
[状態]:紅煉が近くにいたことは気づかない、横島の声には気づく
[思考]:面倒くさいので声に関しては美神には話さない

【E/2アドベントアドベンチャー 池/開始から50分】
【染井芳乃@スプリガン】
[状態]:突然落ちてきて溺れている横島に呆れる
[思考]:どうしたものかと悩む



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