狂戦士
「・・・・・・いいだろう、この殺し合い乗ってやろうじゃないか」
身に着けたローブ、マント、フード。
全てが白一色という、全身白尽くめの男そうは呟いた。
遡る事数分前、男―名はゼルガディス―は気が付くと洞窟の中にいた。
ゼルガディスは非常に不機嫌だった。
前々から探していた、あるマジックアイテムが見つかったのもつかの間。
通りすがりの女魔道士に、それを掠め取られる。
力ずくで取り返そうとした仲間は、返り討ちにあい。
言い値で買い取ろうと交渉すれば、相場の十倍の値段を吹っかけられるという、散々な事になった。
仕方なくその場は引き下がったものの、気が付けばこの悪趣味なゲームに巻き込まれている始末だ。
これで上機嫌でいろいう方が無理である。
ゼルガディスはどうしても、そのマジックアイテム―賢者の石―が必要だった。
そう、自分の体をブロウ・デーモンとロック・ゴーレムのキメラにした、憎き赤法師レゾを倒す為に。
そこでふと、フィブリゾの説明を思い出した。
『優勝者にはぼくが責任を持って元の世界に戻すと同時にどんな願いもかなえてあげるよ』
どんな願いもかなえてあげる
どんな願いもかなえてあげる
どんな願いもかなえてあげる
そこでゼルガディスは悪魔の囁きを聞いてしまった。
それがもし本当なら、自分の体を元に戻す事も出来るのではないか、と。
一度転がり落ちた思考は、加速をつけて進んでいく。
この首輪を外す方法が見つかってない以上、自分が生き残るには他の参加者を全員殺すしかない。
くわえて自分は聖人君子という訳ではない、汚い事は何度かやってきたし、人だって殺した事もある。それが後四十数人増えた所で、たいした事は無いじゃないか。
あるかどうかもわからない、自分の体を元に戻す方法を探すよりも、ここで優勝するのが確実じゃないのか。
フィブリゾ。確かその名前を持つ魔族は、魔王の五人の腹心の一人だったはず。それ程高位の魔族なら、自分の体を元に戻せても、おかしくは無いはず。
ならば自分が採るべき道は・・・
その瞳には、狂戦士の通り名に相応しい狂気が宿っていた。
「おれは絶対に、元の体に戻ってみせる」
【G−3/洞窟/一日目/朝】
【スレイヤーズ@ゼルガディス】
[状態]:正常
[装備]:???(未確認)
[道具]:???(未確認)
[思考]
基本:優勝して元の体に戻る。
1:支給品を確認する。
2:獲物を探す。
[備考]:ゼルガディスの参戦時期は一巻の二章、リナとの交渉が決裂した直後です。
前話
目次
次話