ソコロフの恐怖する頃に――失禁編






1964年のソ連、キューバ危機を超える危機が起きていた。
それは中距離弾道弾の射程距離が約2500マイルから大陸間弾道弾と同格の約6000マイルとなり、
300メートル程度の滑走路及びそれに準ずるものさえあれば、ソ連のどこからでもアメリカ全土に核ミサイルを落とせる悪魔の兵器――シャゴホッド。
それの設計を担当した科学者ニコライ・ステパノヴィッチ・ソコロフ。


彼は元はロケットの開発者だった。
世界初の有人宇宙飛行を成し遂げたソ連のユーリ・ガガーリン少佐を宇宙へ送り届けたA1ロケット、
通称ヴォストークロケットで使用されたマルチエンジン・クラスターの完成に貢献した。
けれどもソ連とアメリカの冷戦により彼はロケットではなく唯の兵器を作らせるようにされてしまった。

一旦はアメリカに亡命した、しかしキューバ危機ですぐ戻された。
その2年後の1964年、CIAの特殊部隊FOXによって、ソコロフが開発していた新型兵器の演習中の隙を突き、再度ソコロフの亡命を支援するバーチャスミッションが計画される。
しかし、一時ネイキッド・スネークに保護されるものの、最終的に、ザ・ボスとコブラ部隊によって亡命を阻止されてしまうのだった。

そして彼はグロズニィグラードの兵器廠へと移されシャゴホッドの調整をさせられていた所をつれて来られたのだが……

その彼は今何をしていたかと言うと…………失禁していた。
もちろん何も無く失禁したわけではない、さっきの頭が潰れた少年のことが気にかかっているのだ。

怖い、あの少年のように死にたくない。
なぜ殺し合いなんかしなければならないのだ。
第一最後の一人に成っても、元の場所へ返しもらえるわけでも、何かがある訳ではない。
殺し合いなんかしたくない、だからと言って主催者に逆らうのいやである。

そんな行動とった瞬間首輪が爆発するだろう。
そのために盗聴器や監視カメラも仕組んでいるだろう、勿論それをとってもアウトだろう。
だったら自分からも行動できないと思う。

第一逆らってどうするのだろう?自分は軍人でもない、唯の開発者なのだから。
自分がどうするというのだろう。
この殺し合いを壊す?首輪を解体する?殺し合いに乗る?それとも自力で脱出?
いずれにしても無駄だろうとソコロフはそれらの考えを捨て去る。


どれを選んでも彼に光明など見えない。
唯彼が出来たのは助け待つ事だけ。

そうして彼は最初から戦う事を諦め、助けてくれる事ばかり考え始めた。

KGBかGRUが助けてくれるかもしれない、もしかしたらスネークが助けてくれるかも知れない。
こんな事をしてソ連やアメリカも黙っていないだろう。何しろ世界の二大大国だ。

いやむしろソ連が強制収容所の囚人を集めて行っているかもしれない。
ならばここはシベリアなのか?それにしては暖かいような気もするが…

なんにせよアメリカの介入が無ければ脱出のめぼしも付かないだろう。
だから彼は城の屋上で引きこもる。スネークや他のアメリカの者達の助けを得るため。
と思い城の中に入ると、一つの本が置いてあるの気づいた。

それをとってみると、やたらに不思議な感触がする。
当たり前だそれは人の皮で出来ているのだから。

そして近くの紙を見てみると名前が書いてある。

「螺湮城教本………?」

それは世にもおぞましい怪物の召喚をする本だった

【B-5/城屋上/一日目深夜】

【ニコライ・ステパノヴィッチ・ソコロフ@メタルギアソリッド3】
[状態]:恐怖、失禁。
[装備]:螺湮城教本(プレラーティーズ・スペルブック)@Fate/Zero
[道具]:デイパック、支給品一式
[思考]
基本方針:殺し合いにも成らず、主催者にも逆らわず、誰かの助けを待つ。
1:兎に角城で誰かの助けを待つ。
2:螺湮城教本……?

[備考]
ソ連がこの殺し合いの主催かもしれないと思っています。
監視カメラや盗聴器が付けられているかもしれないと思っています。


【螺湮城教本@Fateシリーズ(Fate/zero)】
人間の皮で装丁された本。
それ自体が魔力炉を持ち、術者の魔力に関係なく大魔術・儀礼呪法レベルの術行使を可能とする。
更に独自の魔術を展開する事ができ、高い自己再生能力も持つ。
第四次聖杯戦争に召還されたキャスターはこれを持っている事が
能力のほぼ全てだったほどの恐るべき魔道書である。

ある程度の血肉さえあれば対人攻撃しか持たない相手に対して極めて優位な物量戦を展開できるが、
怪魔の軍勢ごと術者を攻撃できる大火力攻撃には極めて弱い。
怪魔の召還は容易だが、その制御には相応の技術が必要となる。



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