オロチの焔、背徳の炎
「キョォォオオオオ」
八神庵は狂っていた。
草薙京に良く似た青年、宮本明を見失って狂っていた。
「キョオ!?」
だが、庵は紅蓮の炎を見た。紅蓮は京の炎の色。
「キョォオオオオオオオ」
庵は狂喜した。
――――――――――――――――――――――――
城を出て橋を渡った所に人影が1つ
プロトギア――ソル・バッドガイ――である。
(さて……)
ソルは首輪に手をやる。
(とりあえずこいつをなんとかしないとな)
この首輪はあのガキに逆らった男達の首を吹き飛ばした。しかも、あのガキの意思で爆破できるようだった。
これを無効化できない限りあのガキと対峙する事はできないだろう。
だが、ソルは「あの男」と共にギア計画に関わった程の科学者である。
恐らく環境さえ万全であれば首輪を外すことなど造作も無いだろう。
それに、ソルはこんな犬の用な首輪をしたままでいられるような男ではない。
何か無いか――ソルはおもむろにバックの中を漁る、出てくるのは地図やコンパスといったサバイバル用具一式と………天狗の面。
〈極限流師範Mrカラテ愛用の天狗のお面。これで君も極限流……〉
「ガンフレイム!」
ソルの咆哮と共に極限流師範愛用のお面は枯れ葉のように舞い、消し炭にすらならず灰となって燃え散った。
「うぜぇ」
そう毒づきつつもソルはバック漁りを再開する。
(名簿か?)
ソルは名簿を見つけ読み始める。
名簿に心当たりのある名前は見当たらない。
……と思ったその時、何度か手合わせをしたこともある男――チップ・ザナフ――の名を発見した。
「まったく面倒な奴がいやがる」
奴の都合次第ではいつものように襲ってくることもあるだろう。そうなると厄介だが……
(あの坊やよりはましか)
正直な話、チップはソルにとって大した脅威ではない。会えば面倒なことになるだろうが会わなければ良いだけである。
名簿を一読すると、ソルはまたバックを漁り始める。
――――――――――――――――――――――――「キョオ、キョオ」
狂気に満ちた八神庵はゆっくりと間を詰める。
ソルはまだ気付かない。
――――――――――――――――――――――――
「工具はねぇか」
ソルが出したものをバックにしまい立ち上がろうとしたその時。
「ウォオァ」
八神庵は後方から、叫び声と共にソル目掛けて八神流古武術の紫焔――【百八式・闇払い】――を走らせた。
ソルは咄嗟に炎の剣ルドラを手にとり振り返ると、
「ガンフレイム!」
ルドラを地面に突き立て紫焔を火の法力で迎撃、両者は激しくぶつかり合う。
ぶつかり合った炎の割って庵はソルに突進。肘鉄を繰り出し、首根っこを掴み、地面に叩きつけ、焼き払う――【弐百拾弐式・琴月 陰】
庵の攻撃はなおも続く、庵は倒れたソルに向かって両腕を振り上げ――振り降ろした。
しかし、ソルは易々と追撃を許すような男ではない。ソルは素早く体勢を立て直し、地面を蹴り上昇
「ヴォルカニックヴァイパー!」
炎を纏ったルドラをアッパー気味に叩き込み――「落ちろ!」――空中で踵を蹴り下ろし庵を地面に突き刺した。
ソルは着地と同時に体を屈め
「ガンブレイズ!」
庵に向かって突進、すれ違いざまに火柱を見舞う……はずだった。
庵は突進してくるソルを待ち構えていたかのように紫焔の螺旋――【百式・鬼焼き】――を叩き込んだ。
「ぐぅ」
カウンターを喰らったソルが仰け反る。
庵は相手が怯んだその隙を見逃さ無かった。庵は手を頭上で交差させると
「シュァアア」
地面を這うように高速で接近、相手を捉え
斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る
体から血飛沫が舞い、肉が抉れる音が辺りに響く。
庵は相手を引き倒し、倒れた相手をなおも斬り刻み、両腕を何度も何度も振り降ろし徹底的に痛めつける。
最後に両腕を振り降ろし、あらん限りの焔でもって――爆砕――
【禁千弐百拾壱式・八稚女】
八神流古武術がオロチの血を受け授かった禁断の奥義。
ソルは地面に倒れ伏した。
「キョオ、キョォオオオオオ」
八神庵は狂喜した。
ついに宿敵を、京を倒したと狂喜した。
「キョォオオオオオオオ」
――――――――――――――――――――――――
(調子にのりやがって!)
ソルは立ち上がると狂喜する庵を睨み付け
己のギアとしての力を
「ドォラゴンインストォゥルッ!」
解放したッ!
「ロックイット!」
ソルは突進し炎を纏った拳を庵にぶつける。
「バンディット! ブリンガー!」
吹き飛んだ庵を地面を蹴り追撃、炎の拳を撃ち降ろし庵を地面に叩きつける。
さらに地面に伏した庵をひっつかみぶっきらぼうに再び地面に叩きつけ。
「ガンフレイム!」
天狗の面を焼き払った時とは比べ物にならないほどに強化されたガンフレイムを見舞い。
「タイラン!」――炎の塊を
「レイブッ!」――叩き込んだ
それでもソルは止まらない。
「こいつで締めだ、ナッパーム………」
その時ソルの体に異変が起きた。ソルは地面に両ヒザをつき、頭から倒れた。
【ドラゴンインストール】
ソルのギアとしての力を解放し、一定時間、自身の身体能力と法力を強化する。時間が切れると一瞬気絶する諸刃の剣。
しかし、今回はどうも様子がおかしい。気絶すると言ってもほんの数秒頭がクラクラする程度のはずだ。全く体が動かなくなると言うことは今まで無かった。
制限時間もいつもより短い。そのせいで奴に止めを刺しそこなった。
ソルは相手を見る。
幸い相手は沈黙してピクリとも動かない、さすがにこちらより早く起きることは無いだろう。
そうこう考えるうちに体が動くようになってきた。
ソルは体を起こして考える、目の前で眠っている赤毛をどうするか……
【E-2/一日目/黎明】
【ソル・バッドガイ@ギルティギアシリーズ】
[状態]:疲労(大)、全身に裂傷と火傷 ダメージ(大)
[装備]:アグニ@デビルメイクライシリーズ
[道具]:支給品一式、不明支給品(0〜1)※工具は無い
[思考]基本:この「ゲーム」とやらをぶっ潰す。
1:赤毛(八神庵)をどうする?
2:首輪をはずすための道具を探す。
3:チップにはできるだけ会わないようにする。
[備考]
ソルの体育的指導を受けたのでアグニ&ルドラは一切喋りません。
アグニ&ルドラはソル戦(と体育的指導)で大量の魔力を失った為、今後ロワ中では自分達だけで戦うことは絶対に出来ません。
Mrカラテの天狗の面は跡形も残らず灰になりました。
ドラゴンインストールの制限、効果時間の短縮および使用後約1分間の行動不能と疲労(大)に気付きました。
ルドラはソルのデイバッグの近くに転がっています。
E-2の橋の周辺に戦闘音が響き渡りました。
【E-2 一日目 黎明】
【八神庵@THE KING OF FIGHTERSシリーズ】
[状態]:気絶、腹部に裂傷、全身に火傷、ダメージ(大)
[装備]:なし
[道具]:不明支給品(1〜3)、基本支給品一式
[思考]
基本:????
1:気絶中
[備考]:
※参戦時期は正規ED(三種の神器チームED)の最中、オロチに体内の血を覚醒させられオロチに飛び掛る直前です。
前話
目次
次話