大丈夫






どうしよう。私、「これでいいのかな」って迷ってる。
ううん。一度決めたことなのに迷うなんてよくないよね。
私が今からしようとしていることは、みんなを救うために必要なことなんだから。
私が勇気を出して頑張らなくちゃダメだよね。

私が決めたこと。それはしばらくみんなの命を預かること。
もっと簡単にいえば、みんなを殺して『最後の一人』になること。
違うの。自分だけが助かりたいってわけじゃないの。みんなで助かりたいの。
みんなで助かるためには、私がみんなを殺して、『最後の一人』になって、あの男の子にみんなを生き返らせるようにお願いするしかないの。

私たちを集めたあの男の子は、最後まで生き残れた人の願い事を一つだけ叶えてやるって言ってたの。
富でも名誉でも永遠の命でも『なんでも』叶えてやるって言ってた。
『なんでも』ってことは、みんなを生き返らせてくれるって願いも叶えてくれるってことだよね?
一度死んだ私をこうして生き返らせたんだもの。
みんなを生き返らせることだって、あの男の子ならきっと出来るはず。

その願いを叶えるためには、私が頑張るしかないの。
他の人は、もっと別のお願い事を考えているかもしれないでしょ?
もし悪い人が『最後の一人』になったら、きっと世界は滅びてしまう。
悪い人が『最後の一人』にはならないようにするためにも、私がたくさん頑張らなくちゃ。
誰かに会ったらすぐに殺すようにしなくちゃ。

私、あの時みたいに大事な人を遺して、何もできずに死ぬのはもう嫌なの。
今度こそクラウドを……ティファを……ここにいるみんなを救いたいの。

だから、これから、私は、たくさんの人を殺すの。
みんなのことを、出来るだけ痛みを感じないように、殺すの。
私は、そう、決めたの。
罪を背負うのは、私だけで、いいの。
これ以上、罪を背負う人を、増やしたくないの。
自分が、罪を背負うのは、苦なんかじゃない。
私なら、大丈夫、だから。


矛盾してる、かも、しれない。
間違ってる、かも、しれない。
でも、他にみんなが救う方法が見つからないんだもん。仕方ない、よね。

これで、いいの。
これしか、ないの。
これが、みんなを、救うために、必要なことなの。

迷ってちゃ、ダメなの。

剣をぎゅっと握って深呼吸。
うん。勇気が出てきた気がする。
今ならなんでも出来そうな気がする。

大丈夫。
大丈夫。
大丈夫。

怖がらないで。

痛いのはほんの一瞬だから。
ほんの少し、お昼寝するみたいなものだから。
あとで私が全員必ず起こしてあげるから。

だから、今だけみんなの大切な命を私に預けてほしいの。

大丈夫、だから、ね。

【C-2/一日目/深夜】
【エアリス・ゲインズブール@ファイナルファンタジー7】
[状態]:健康(参戦時期:FF7無印でセフィロスに刺殺された後)
[装備]:むそうマサムネ@真・女神転生if…
[道具]:基本支給品一式、不明支給品0〜2(未確認)
[思考]
基本方針:後で全員生き返らせるために自分以外の参加者を殺害する
1:最後の生存者として生き残る
2:出会った人物から無差別に殺害する



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