暴走クルマ
風が吹き荒れる荒野に威勢のいいエンジン音が鳴り響いた。
「はいはい、大型車が通りますよ。道をあけてくださいね」
縦横無尽に原野をひた走る大型トレーラーを運転するのは神羅兵。
そしてその横に同乗するのはファリスであった。
「おい、あんまりスピード出すなよ。荒地だからな」
「はいわかっていますとも。安全運転を心がけます」
「と言ってる先に……うわあっ」
ドンと大きな音を立て岩肌に激突、車体が傾きかけた。
ファリスは前につんのめって舌を噛みそうになる。神羅兵はおっととわめきながらもアクセルから
足を放さなかった。
「バカヤロー、気をつけねえか!」
「申し訳ないです。まさかあんな露骨な岩があるとは気づきもしませんで」
「ったく、心臓に悪いだろが」
二人はいったん降りて車体を調べたが幸い損傷はなかった。
それから再び乗車したが、走行に異常は見られなかった。
「いやあ、しかし危なかったですね。今この車という足を失ったらマラソンに勝てませんよ」
「マラソンじゃねえよ。バトルロワイアルとかいうサバイバル戦だろ。生きのこるか死ぬか、そんな
殺伐としたゲームだ」
「ちょっとなんですかそれ。聞いてないですよ。冗談じゃないですよ。私はまだ死にたくないですよ」
「バカヤロー!!てめえゴルベーザとかいう奴の説明聞いてなかったのか」
「ああ、あの人ですか。なんかどこかの劇団の人だとしか思いませんでしたよ。でも今どき
あんな恰好流行らないですよね。大昔のSF映画になら合いますけど。
ていうか、殺し合いとか全部ドッキリですよねw」
「なわけねーだろ!実際に起こってんだよ。お前も首輪が爆発して死んだ男を見ただろ。
俺たちもうかうかしてたらヤバイって」
「あれってマジックの人体爆破ショーじゃないんですか?」
「本当に死んでるっつーの!お前本気で……」
そのとき、急にトレーラーが上下に激しく揺れた。
起伏の激しい地形に入り込んだような衝撃とメキメキといった不審な音。
そしてギャーという鳴き声のようなものまで聞こえた気がした。
「うわ。今何かがタイヤに巻き込まれたような。何か轢いたんじゃないですか!?」
「ゴミか大きな石だろどうせ。それより俺の話はまだ終っていない」
ファリスが口やかましく神羅兵に言い寄る。
トレーラーは荒々しく遠くに過ぎ去った。
そのタイヤの痕跡には、惨たらしいシドの圧死体が野ざらしにされていたことを
二人は知らなかった。
【ファリス@FF5 場所B-4】
[状態]:健康
[装備]:Hガンブレード、Bラインシールド、ペルシャブーツ
[道具]:
[行動方針]:トレーラーに同乗
【神羅兵@FF7】
[状態]:健康
[装備]:如意棒、源氏の篭手
[道具]: 大型トレーラー
[行動方針]:トレーラーで爆走
【シド@FF9 死亡】
【残り97人】
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