歴史を綴るために
私は歴史学者アラズラム・J・デュライ。
なぜ私がこのような事に巻き込まれたのかは分からない。
だが、歴史を書き綴るものとして、この事実は後世に伝えなくてはならない。
誇張も改竄もなく、ただ起こった事をそのままに。
その為にはこの戦いを生き延びねばならないだろう。
例え何があろうとも、どんな手段を持ってしても……だ。
時には私を守ってくれたものを見捨てることになるかもしれない。
時には自分が助かる為だけに誰かを売ることになるかもしれない。
だが、それは私がせねばならぬ事なのだ。
ならば例え後に批判されようとも、悪魔と称されようとも構わない。
支給されていた紙に私の方針を書き終える。
その紙をザックの中に入れると、返す手で支給品と思われるものを取り出す。
ウィザードロッド、攻撃するたびに属性が変わるらしい。
そして次に取り出すはウィークメーカーと呼ばれる物だそうだ。
説明書によれば敵対する相手に、強制的に弱点を作り出す装置らしい。
ウィザードロッドと組み合わせれば有効に使えるかもしれない。
そして最後に取り出すはダッシューズという靴。
その名の通り足が速くなる靴だ。
ただしダンジョンや街でしか効果がないらしいが、無いよりは良いだろう。
これらを活用し、私は生き残るのだ。
この悪夢のようなゲームを歴史に残すために。
海の望める崖に座り、男は一人決意を固めた。
【D-1/崖/朝】
【アラズラム@FFT】
[状態]:健康
[装備]:ダッシューズ
[道具]:ウィザードロッド、ウィークメーカー
[行動方針]:歴史を残すために、何があっても生き残る
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