青魔道士の二人
「ふぅぅぅ……この暑さはきついゾイ……」
青魔道士ストラゴス・マゴスは照りつける光を浴びながら砂の海を進む。
ケフカを倒し、平和に戻った世界。
故郷、サマサの村で孫…いや、義孫と静かに余生を過ごす心算だった。
然し、気がつくと不気味な城に立っていた。
殺し合い……通常の人間であれば、行いたくは無いものだ。
報復は報復を呼ぶ。憎しみは憎しみを呼ぶ。
幻獣の件もそうだ。
孫はこの血塗られた遊戯の中にいるだろうか……。
自分の周りにはいなかった……と思う。孫、リルムは年からしては長身だが、若者に比べては勿論の事小さい。
彼等が壁になって見えなかったかもしれない。
……参加しているのなら、生きていてほしい。生き抜いてほしい。
他の共闘した仲間たちも、参加しているのならば生きていてほしい。
運良く、自分のザックには杖が入っていた。
この杖からは聖なる力を感じる。それなりの戦力にはなるだろう。
「フシュルルルル……。」
どこからともなく声がした。
ストラゴスは杖を構える。
「なんだ……老いぼれか……。だが、老いぼれと言えど、このゲームの参加者!!!ゴルベーザ様の命により、殺す!!!」
と、言う声がすると、砂が動き始めた。
そして砂煙が起こる。
とっさにストラゴスは目を手で覆う。
「サンダラ!!!」
電撃魔法が老体を伝う。
砂煙が止み、手を目から離すと、薄汚いローブを着た男がいた。
ローブで体を見せてはいないが、先ほどの魔法の詠唱の声で男と判断した。
サンダラのダメージは致命傷にはいたらないが、響いた。
自分が無防備だったのを差し引いても、相手はかなりの使い手だった。
行き成り攻撃とは卑怯だゾイ!」
「フシュルルル……。戦いの世界に、卑怯もクソもないわっ!」
男はそう言い放つと、魔法の詠唱を始めた。
自己防衛のためには仕方がない。
それに見せしめにされた銀髪の男が言っていたゴルベーザと言う名前。
この男が殺し合いを命じた男の部下だ。
少し遅れをとり、ストラゴスも詠唱を始める。
「マインドブラストッ!」
「ぬぁっ!!!!??」
「!?」
突然の出来事。
何かの衝撃波によりローブの男が吹き飛ばされる。
そしてその衝撃波を起こした者は50メートル程はなれた場所にいた。
容姿は赤い服を着ている男だ。
然し顔は人とは違っていた。
「クッ…!貴様何者だっ!?私の邪魔をしおって…!」
男は詠唱を始めなおし、赤い服の者の方に向く。
「死ねぃ!!!」
凄まじい雷が赤服の男に向かう。
雷系最高魔法、サンダガだ。
赤服の男にサンダガは見事に命中した。
「イ農を忘れるなっ!」
その瞬間、ストラゴスがローブの男に魔法を唱える。
無数の隕石がローブの男に降り注ぐ。
メテオによく似た青魔法、クエーサー。
その威力はメテオには及ばなくとも凄まじい。
「ぐおっ……ぉぉぉおおおお!!!!!」
クエーサーをまともに受け、ローブの男の手が地面につく。
「火炎放射!!!」
休む間もなく、追撃がローブの男が追撃を受ける。
追撃主は、赤服の男。
「ひ…卑怯者め等がっ!!!二対一など……!」
男がひざを付く。
「こ、このスカルミリョーネ様が……こんな者共に…。」
ローブの男、スカルミリョーネが倒れた。
その身体は音を立てて砂に埋まっていった…。
ストラゴスは一息つくと、赤服の男に礼を言おうと、男の下に歩いていった。
「危ないところを助けていただき感謝するゾイ。」
礼を言うが、赤服の男は別に助けたとも思っていない様子だ。
「別にお前を助けたつもりはない。ただ単に私の技がやつに当たった。
そして奴が私に攻撃してきたので報復しただけだ。
ところで…、お前は青魔導士か?」
男が問った。
「如何にも、そうじゃが何か?」
ストラゴスは別にうそを吐かなくとも良いと思い、正直に話した。
「そうか……。私も青魔導士でな。生前仲間から貰った書物にお前の使った魔法そっくりの青魔法が載っていてな。興味深い。」
「ではあの衝撃波も青魔法ゾイ?」
男が頷くと、ストラゴスがもうひとつ聞いた。
「お主、リルムと言う10歳くらいの絵が好きな子を知らんか?
金髪でウェーブがかかってるんじゃ。」
「いや、此処にきて会ったのはお前が初めてだ。」
ストラゴスはほっとしたようで心配していると言う変な心境になった。
「お主はこれからどうする?」
と、ストラゴスが聞くと男は答えた。
「お前と行動をともにしたい。
お前の青魔法に興味があるのでな。
私の名はアポカリョープスだ。
良いかな?」
ストラゴスは少し考え、言った。
「いいゾイ。然し、一応のことを考えてお主の荷物はわしが持っておく…よいか?」
「いいだろう。ではこれからどこへ向かう?お前が決めてよい。」
ストラゴスは地図を取り出し、近くに村があることに気づいた。
村に、友好的な人たちがいるかもしれない。
そしてもしかしたら仲間が、リルムがいるかもしれないと思った。
「じゃあ、此処から真北の村に向かうゾイ。」
「いいだろう。では友好の証に…。―ホワイトウィンド―」
―その頃地中では…
「フシュルルル……。死に、復活するのにも少々時間がかかるのか……。
まぁ凡そ三時間後には死者として復活できる…。フシュルルル…。」
【E-3/砂漠/朝】
【ストラゴス@FF6】
[状態]:HP4/5程
MP5/6程
[装備]:裁きの杖
[道具]:光の杖以外不明
[行動方針]:アポカリョープスと共に仲間を探す
【アポカリョープス@FF5】
[状態]:7/6程
[装備]:不明
[道具]:不明
[行動方針]:ストラゴスと同行
備考:違う世界の青魔法に興味を持ったためにストラゴスと同行
【スカルミリョーネ@FF4】
[状態]:死亡
[装備]: 不明
[道具]:不明
[行動方針]:アンデットとして復活する
[備考]:スカルミリョーネは作中でも復活(アンデットで)していますが、これはバトロワでおkなのか解りません…。
もし駄目ならスカルミリョーネの所だけスルーして下さい
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