偽者は歩き出した
その男は影武者。
大国ガルバディアの大統領、デリングの影武者。
それ故、今もデリング大統領の姿かたちをとっている。
その自分が今、ここで何をすべきか。
それは、あくまで主になり代わりその意志を全うすること。
その意志とは…ゲームに勝利すること。
魔女の力を借りてまで支配をしようとしていたお方だ。
『どんな望みも叶える』という賞品はあの方にとって喉から手が出るほど魅力的だろう。
方針は決まった。
私の支給品は2つのアクセサリと1本の杖。
アクセサリの片方はハズレのようだが、他はなかなか良いものを引き当てた。
特に、この属性王とかいう腕輪はすばらしい。
すべての属性で攻撃し、すべての属性を吸収するとは。
かの傭兵、SeeD共もさすがにここまではできまい。
さて、そろそろ狩りにでも出たいがこのデリング大統領の姿ではいささか不安だ。
もともとこの姿は戦闘向きではない。脆弱な、よわよわしい中年男性でしかない。
…いや待てよ?
むしろ、この姿のままでいて強く心優しい愚かな参加者を探し、それの庇護を受けるというのはどうだ?
そしてそのまま参加者の数が減るのを待つ。そうだな、四分の一ぐらいまで減るのを待とう。
それからは積極的に殺してまわる。
フフッ。そうだ、それがいい。
【C-4/平原/朝】
【デリング偽大統領(ナムタル・ウトク)@FF8】
[状態]:健康
[装備]:属性王
[道具]:血塗られた… 賢者の杖
[行動方針]:しばらく本性を隠す
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