放送






プログラム1日目 PM10:00

(#夜の島内。人の気配はない)
(#島内に設置されたスピーカーから一斉に音楽が流れる)

「お待たせしました〜!最終点呼の時間でぇ〜っす!
 みなさん良くがんばりました〜!
 それでは〜、
 ここまでで『死んじゃった人』を発表しま〜っす!」

副担任、マジョポン(仮名)の底抜けに能天気な声が、

『ここまでで、死んじゃった人』

の名前を五十音順で読み上げた。

悪夢のような数分間。
やっとのことで「死んじゃった人」の名前を読み上げた
マジョポンに代わったのは、中年の男の声であった。

「おほん。え〜、私が、当プログラム実行責任者の梅尾金三であります。
 そういうわけで、もう夜の10時になりました。
 良い子はもう寝る時間ですよ〜。
 え〜、みなさんはぁ〜、とっても良い子たちですから〜、……、
 夜のうちに、友だちの寝込みを襲うなんてこと、『ゼッタイにない』と
 先生は確信しております。
 …明日の起床は5時ですから、それまでゆっくりと休んで〜、
 たっぷりと鋭気を養ってくださいね〜。
 お友だちが死んで悲しいかもしれませんが〜、そんなことでくじけていてはァ、
 若い翼は飛べませ〜ん。
 これからもがんばってくださいね〜!」

最初の放送はそれで終わった。
どこかで、誰かのうめき声がした。



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