黒岩&八神
島の北端の切り立った崖に二人はいた。
まわりには支給のディバッグがころがっている。
黒岩「静かだね」
八神「そうだね」
黒岩「これありがとう」
八神がくれた書きおろしの同人誌を見つめて黒岩は言った
八神「やっぱり好きな漫画描きたいよなぁ。」
黒岩「抵抗はできないんだ。僕はよく知ってる。若い頃はよく編集のやりかたに反対した。そして何度も・・・」
八神「・・・10週打ち切り?」
黒岩「抵抗なんてできないよ。」
八神「・・・つらかったね。」
黒岩「やさしいなぁ、健君。僕は君のほのぼのした漫画とても好きだ。」
八神「僕だって君のピュアな漫画がめちゃめちゃ好きだ。」
黒岩「・・・ぼくはもう絶えられない。」
がさっと言う音がして人の気配がした。
それは合図だった。
二人の体が、断崖の向こう、黒々とした背景に、空に踊った。
ペンをしっかり手に握ったまま。
小畑はそれを震えながら漠然と見送っていた。
黒岩の手からこぼれた八神の同人誌が草の上を転がった。
八神健
黒岩よしひろ 打ち切り
【残り32人】
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