無題
健闘も虚しく邪神ニャルラトホテプはたれぞうに喰われて死んだ
【邪神ニャルラトホテプ@クトゥルフ神話 死亡】
【残り22人】
「……ん、なんとも言えない味で、邪神、美味しいです」
邪神と最高神の会合より数刻頃……
ふたりの神性による戦いの余波により、食品売り場は完全に更地と化していた
その中心地で、ニャルラトホテプの残骸をくちゃくちゃと咀嚼しているたれぞう
通常ならYouTubeで食レポしてるだけの人間が這いよる混沌を打ち倒すことなどあり得ない
しかし、このロワのたれぞうの正体はGOに並ぶ最高神の一角、ZEUSであったのだ
「……ご馳走さまでした」
悪意などまったく感じさせない微笑みを浮かべながら、邪神を平らげたたれぞう
その穏やかな雰囲気からは、とても彼が大怪我を負っているようには見えない
しかし、敗北したとはいえ、相手は制限された身でありながらも紛れもない邪神。
当然ながら無傷で勝利とはいかない。
たれぞうの右目は抉れ、右腕は千切れ飛んでいた。戦いの代償は、利き腕と視界の半分……
「それではーー」
しかしたれぞうは立ち上がる。
その肉体からは、明らかに戦闘前とは比べ物にならないほどの神のオーラが立ち上っている
たれぞうの肉体は邪神の体を余すところなく消化・吸収し、己の血肉とすることでその神性をも取り込んだのだ
「ーー次はGOを食べていきたいと思います」
邪神を取り込み、圧倒的な高みへと到達したたれぞう。彼はGOを欲していた
食レポというのは、当然ながらそれをみてくれる人が居なければ話にならない
YouTubeがあるかぎり、地球上の全人類はたれぞうの食レポを楽しんでくれる視聴者になる可能性を秘めている。当然、この殺し合いの参加者たちもだ
だから、誰も死なせたくない
たれぞうはGoを打ち倒すことにした
「ん?この香りは……」
さて他の参加者でも探してみるかと動こうとすると、突如たれぞうの嗅覚が甘くてシュワッ!とした香りを嗅ぎ付けた
「これは、ペプシ?、ペプシの香り?」
たれぞうはその匂いがなんなのかは予想が付いた。この芳醇な香りはペプシだ
しかし……何かが可笑しい。
「それでは、いってきます」
たれぞう
【グランドモール1階/イオンスタイル(食品売り場)/一日目/深夜】
【たれぞう@youtuber】
[状態]ひたいに軽傷、右目失明、右腕欠損
[所持]基本支給品一式、ハンディカメラ(大破)、ランダム支給品0〜2
[思考]GOの殺し合いを破壊する
※彼はZEUSでした
※邪神ニャルラトホテプの肉体を食してパワーアップしました
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