蛸の足はとても多い






「星が綺麗だな」
蛸は言って、溜息をついた。
両性的な外見。表情は穏やかだ。
「殺し合い、かぁ・・・楽しそうで、悲しそうだな」
どっちつかずな事を呟き、荷物を漁り、リストを取り出す。
「どれどれ?参加者は――ああ、ozさんもPちゃんもK君もいるのか」
クスリと笑い、ページをめくる。
「大先生に、勉強男。DQN?酷いカテゴリだな」
さらにページをめくって、あるページで指を止めた。
【ムツ:アケロワ】
「わあ・・・この人好きなんだよ、僕」
憧憬に満ちた眼。
パタンとリストを閉じ、これからのことを考える。
(K君は乗るかもしれないけど、ozさんは乗らないだろうな。Pちゃんは・・・ある意味K君より危険か)
彼女は一貫性―――信念を持たない。
そして、信念を持たない者が万一、一つのベクトルに意識を向けたとき。
きっと、恐ろしいことが起こるだろう。
(僕は―――どうしようかな)
死ぬことは怖い。当たり前だ。だが、自分は感じてしまった。
声の主が放つ、底知れない怨念を。
(黒崎一護、真中淳平、浦飯幽助、大蛇丸、富樫源次)
自分が殺したキャラの名が脳裏をよぎる。
ならば、怨念に応えてやろうか?
「よし、支給品が良かったら誰か殺してみて、悪かったら誰かにどうすればいいか聞こう」
支給品を確認する。

【ハリセン:『腹黒鏡蛸焼丸』と書かれている】

「(´・ω・`) 」

イジメは良くない。蛸はそう思った。

【蛸@ジャンプ/A3/一日目1:00】
【荷物】ハリセン(『腹黒鏡蛸焼丸』と書かれている)
【状態】健康
【思考】1: ガックリ
    2:どうするかは未定
    3:ムツからサインが貰いたい



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