OP
目が覚めると、広場に佇んでいた。
周りにはたくさんの人と人でないものがいる。
下手すれば数万人相当の。
「やあ、目は覚めたかね?始めまして、いや、多分君たちはわたしのことを知ってる筈だよ。
私はコルベール。今日ここに集まってもらったのはほかでもない。今から君たちに―。」
「待ちなさい!」
群衆の中から、一人の少女が立ちあがった。ツインテールに髪をまとめた釣り目の女子高生だ。
「こらこら、危ないよー、かがみん。」
「いや、あんたが変な鏡に飛び込むから止めた私まで一緒に連れてこられちゃったんじゃない。」
「・・・あー、君はたしか柊かがみ君だったかな?この状況になんどか心当たりがあるようだね。
要するにリピーターというやつか。」
「ええ、そりゃイベントあるたびに何度も呼ばれてちゃ覚えるわよ。これで10回目くらいかしら?
で、今度はあなたが主催さん?」
「まあ、そんなところかな。」
「へー、そうなんだ。・・・で、また私達に殺し合いをさせる気ね!
しかもここまで超他人数で節操の無い面子はズバリ!ジャンル・テラカオスバトルロワイヤル!
言っとくけど!今回はさっさと帰ってコタツでぬくぬくしたいから早めに終わらせるわよ!
ねえみんな!いまから一斉にこいつに襲い掛かりましょうよ!首輪爆発させる機械みたいなの
奪えば楽勝よ!どうせ最後は反逆して脱出するんだから今やるのが一番・・・!」
「いや、別に殺し合いなんかしなくていいですよ。ほら、首輪も付けてないだろう?」
「・・・あれ?」
首を触ってみると、確かに何も着けていなかった。
「じゃあ何の用事よ?」
「ああ、実は、君たちみんなの力を合わせて、この男を倒してほしいんだ。」
空中にスクリーンが現れ、一人の少年の顔が映し出された。
何処にでもいそうな、ごく普通の。
「見事彼を倒せた一人…仮に優勝者としようか?には『ルイズ君を使い魔にする権利』を与えよう。
このハルゲキニヤで彼女と生涯共に暮らすもよし、君たちが元いた世界に持って帰るも良しだ。」
―その時、会場がざわめいた。
恐ろしいオーラを感じる。
「な…何?」
「ではゲーム開始だ。ハルケギニヤの各所にランダムに転送するよ。では、健闘を祈る。」
「え?ちょ、待って―」
そしてそこにはだれも居なくなった。
「ミスタ・コルベール、いいんですか?あんな始め方で?」
「なぁに、押してダメなら引いてみろ、というじゃないか。それに今までの記録によると、
どうやら爆発する首輪をつけて無理やり殺し合いをさせると、
大抵は主催に反抗しようとするグループに反乱されて失敗してしまうらしいからね。
―心配しなくても、だれもここまでたどり着けないよ。」
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