リンクの決断
リンクは迷った。迷って迷って迷い抜いた。
ふと、一つの言葉を思い出した。
「じゃあ、ぼくと一緒に行こう。――大丈夫、仇は討ってあげるよ」
僕はフェアリーとそう約束したのだ。
自らの命の危機である事は間違いないが、自分から言ったことだ。やはり納得がいかない。
このままこのアイテムを受け取り、たとえ優勝・・・もしくは何らかの方法で逃げ果せたとしても、
いつまでもフェアリーの事が心に居座り続けるだろう。
命の危機だからこそ、悔いの残らない行動をしたい。
リンクの一大決心だった。
もしこの言葉がたけしの怒りに触れれば、即終焉だ。それでも言う。
「アイテムは要らない。だけどもし・・・この子が受け入れてくれるなら、これからも一緒に行動したい」
「そうかぁ〜・・・」
たけしは、さっきまでのリンクと同じように悩んでいる。
うん、と大きく頷いた後、こう言った。
「本人が希望するなら、それを尊重しようじゃないか。だがフェアリーが嫌がったなら予定通り帰す事にするからな〜」
そしてフェアリーに視線が向けられる。
と同時に、リンクの首の辺りに抱きついた。
「これで問題解決、ただ参加者として今更登録するのは面倒だし、アイテム的な扱いになるがそれでも良いかぁ?」
「よろしいのですか?」
リンクが見えなくなった後、黒服のヤクザが問う。
「"自主的に"残ってるんだから止める理由はないだろ〜?」
「それはそうですが・・・召喚ミスという理由なのでしょう?」
「だから"アイテム扱い"なんじゃないかぁ」
【「ゼルダの冒険」リンク ブーメラン/フェアリー所持 生存】
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