無題
どこまで逃げればいいのだろう?
僕は未だに答えを出せずに飛びつづけていた。
途中でいくつか爆発を見たけど、僕自身は戦わずに済んでいる。
やっぱり飛べるのは有利だ。でも・・・ダメだ。
こんなスピードではいざ戦闘となったら遅すぎる。
もうちょっと大きい羽が欲しいし、出来ればツインボムとか7WAYも欲しい。
それさえあれば僕は必ず生き残れる。ショップがあればの話だけど。
それから30分くらい飛んでいたのかな。
岩場の付近に見覚えのあるものが目に入ったんだ。正直、信じられなかった。
いつもいつも、僕に力をくれたあの赤い風船。ショップだ。
勝った。これで、僕の勝ちだ。
僕は全速力(たかが知れてるけど)でショップに飛び込んだ。
異変はそこで起きたんだ。
息苦しい。動けない。まったく動けない。
見覚えのあるショップの風景じゃない。外が透けて見える。
これは・・・ショップじゃない。ただの赤い風船?
風船じゃないな。風船だったら割れてるもの。
じゃあ、これは何?泡?
答えは浮かばなかったけど、一つだけわかったことがあった。
下から迫ってくる小さな恐竜のような生物。
これが僕の命を奪うのだということ。
パン、という破裂音が僕が現世で聞いた最後の音だった。
【『バブルボブル』バブルン生存】
【『ファンタジーゾーン』オパオパ死亡】
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