無題






「なっ・・・。」
遠くの森から大爆発と共に2本の火柱が上がる。
その様子を見た彼の頭に、ある情景がフラッシュバックした。
炎上する旧校舎、そして校門で待ち受けるあの男。
「日野先輩・・・。」
それはかつて信じていた男の名だった。
彼、坂上修一はつい先日まで普通(?)の高校に通う普通の新聞部員だった。
そう、あの会合が始まるまでは・・・。
信じていた者の裏切りに合い毒を飲まされ、
次々と襲い掛かる殺人鬼共から身を守る悪夢の様な一夜。
命からがら脱出した修一は安堵と共に家で眠りについた。
そして、気がつくとこのプログラムに参加させられていたのだ。
(・・・何だって言うんだ・・・何で二日も続けてこんな事に。)
奥歯をかみ締め、手に持った武器、チェーンソーを握り締める。
今、普通の新聞部員の修一の頼りはこの武器だけだった。
(だけど・・・こんなモノでまた生き残れるのだろうか・・・。)
確かに銃には及ばないがチェーンソーは強力な武器だ、
前夜のトンカチやノコギリ、ドライバーよりは遥かにマシ。
しかし、今回は相手も普通ではない一抹の不安が修一の頭を過ぎる。
「考えていてもしょうがない・・・まずは仲間を集めるんだ
・・・そして、生き延びる!!」
自分に言い聞かせる様そう呟くと修一は走り出した。

チェーンソーになぜか嫌なデジャビュを感じつつも・・・

【学校であった怖い話  主人公:坂上修一 生存】



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