無題






スペースファイヤーバードが次に襲ったのは、”あの男”に似たツナギを着た少年であった。

少年は、支給品の殺虫スプレーを片手に迎え撃ってみた。
いつも相手にしてる奴ら・・・虫たちと同じように撃墜できる!

スペースファイヤーバードは今でこそ常識の範囲内だが、
当時のスペックでは無謀としか言い様のないえげつない弾幕で
少年を襲った。しかしその全てが避けられた!オマケに体当たりしようにも
的確にゼロ距離射撃で撃墜されてしまう。
数の上では圧倒的に有利に見えるスペースファイヤーバードだが、
実質的な後継作に出演し、しかも虫たちを撃墜しながらドンキーコングの相手も
こなす少年にとっては楽勝に過ぎなかった。

焦ったバードたちは時限爆弾の投下に踏み切った。
しかに、それはいともあっさり撃墜され、破片も全てかわされる。
時限爆弾と同じ様な攻撃には慣れている少年には時限爆弾の破片など
目を閉じていてもかわせるくらい楽勝であった。

最後の1羽となったスペースファイヤーバード。
持てる弾丸の全てを弾幕に変え、時限爆弾を全弾投下したあと、
少年に向かって特攻した。勿論弾幕が少年を捉えることはなく、
時限爆弾が少年に炸裂することはなかった。そして、
特攻が成就することもなかった・・・・・・・。

バードたちは知らなかったのだ。この少年こそが、マリオに代わり旧ドンキーコングシリーズ
のラストを務めたスタンリーであったことを。
無知という最大の罪を犯してしまった彼らは、少年を葬るつもりが返り討ちに遭ってしまった。
シリーズ唯一のシューティングゲームに出演していた少年にとって、バードたちの
攻撃はモノの数では無く、少年の体にやけど一つ負わせることも出来なかった。

【『ドンキーコング3』スタンリー 生存(支給武器:殺虫スプレー)】
【『スペースファイヤーバード』スペースファイヤーバード 全員死亡】



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