無題
信長の死体でスープレックスの練習をしているカービィがいた。
何度地面に叩きつけたのだろうか、信長の遺体は既に原形を留めていなかった。
ドォォォォン!!
その一撃で信長の遺体はバラバラになってしまった。
カービィは、これでは練習も出来ないと、躊躇無く信長の死体を飲みこんだ。
ちょっとした腹ごしらえも兼ねての行動だ。
だが、どうにも物足りない。もっと生き生きとした食材が欲しい。
そんな心持のカービィの前に、新たな敵が姿を現した。
カービィの目が輝いている。
ボクはレアな肉が大好きなんだぜ。
地面に叩きつけた血はトマトジュースだ!
そんな面持ちのカービィを見て、その敵はこう呟いた。
「気味の悪いのブタがいるな。ハッハー、まるで俺に食ってくれと言わんばかりの表情だ!!」
敵の胸には、保安官のバッジがついていた。
ブタの一言に気を悪くしたカービィは、そのまま丸飲みしてやろうと、口をめい一杯開いて襲いかかろうとした。
パァン!!
その刹那、躊躇無くシェリフの拳銃が火を吹いた。
カービィは運良く口を開いていたおかげで、銃弾を吸いこむことで直撃を受けずに済んだ。
「俺の弾を吸いこむとはな、なんてクレイジー奴だ。野生のブタは一味違うな」
再びブタと言われたことで気を悪くするカービィ。既に食べることよりも殺すことが優先されていた。
カービィは先ほど吸いこんだ銃弾を星に変え、シェリフに向けて放とうとした。
が、シェリフが見当たらない。
逃げられたのか?と思った瞬間、頭に衝撃が走る。
なんとシェリフは、カービィ頭上にまたがり、1人ロデオを行っていた。
「ブタロデオも中々楽しいな。ハッハッハー!!」
暴れるカービィをよそに、ロデオを楽しむシェリフ。
それは、何人ものプレイヤーを血祭りにあげてきたカービィが、手玉に取られた瞬間でもあった。
「さてと、ブタの相手をするのにも飽きてきたな」
シェリフは颯爽とカービィから飛び降り、カービィが反応するよりも早く、尻に強烈な蹴りを与えた。
「残念なことに手元にお前を焼いてやれる道具が無いんだ。良い道具が見つかったら、お前を美味しく食べてやるさ。アディオス!」
怒りに満ちたカービィを尻目に、シェリフは闇の中へと消えていった。
【LOW OF THE WEST〜西部の掟〜 保安官 生存】
【星のカービィ カービィ 生存】
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