無題
女が一人、歩いてゆく。
彼女に出会った者は、「殺戮の波動」を受けて物も言わず息絶えてゆく。
彼女の通ったあとには、ただ死体が残るのみであった。
「彼」は災厄が通り過ぎていくのをじっと見ていた。
無差別に放たれる波動も、「彼」には通じない。
なぜなら、「彼」は肉体をもたない、いわば幽霊だったからである。
幽霊の状態では、「彼」に出来ることは何もない。
だが、都合よく大量の死体(しかも外傷は全くない)が目の前にある。
正によりどりみどり、どれでも好きな体を選んで乗り移ればいい。
・・・ところが、そこに新たな闖入者が現れた。
これもまた女だ。
彼女は死体一つ一つになにやら呪文を唱えている。
するとどうだろう、死体がアンデッドと化して再び動きだしたではないか!
彼女はおびただしいアンデッドを引きつれて歩き去った。
・・・静寂が後に残った。
「彼」が肉体を手に入れるのはまだ先のことになりそうだ。
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