一難さってまた一難
「うぐぐ……。 止むを得ん、あの方法を使うしかない」
そうすると、彼は、水晶を使い魂を蓄積していた中央の装置へとアクセスする。
途端に中央から幾つかの魂の光が飛び上がり、彼の体の中に注がれていく。
たちまち、傷はいえ、彼の身体に元の魔力と生命力が立ち戻る。
「ぬぅぅぅぅ……。 流石に素晴らしいパワーだ!!
召還に使う力とする予定だったが、止むを得まい。 余はここで倒れるわけにはいかんからな……」
その時。
双子の声が鳴り響いた。
「おにいちゃん、たすけてー」
「バカなッ!! ええい、ケルヴァンは何をしている!?」
咄嗟に彼は、魔力放送に自らの魔力でジャマーをかけようと集中する。
「これで、熟練した魔法使いでもない限りは、聞こえんはず……。 あの無能策士め……」
が、その心配は及ばずに、それ以上の放送がなされる事はなかった。
「散策は止めだ。 とっととワープ魔法で戻るとするか……」
無能どもにこれ以上本拠地を任せるわけには行かない。
「やはり、余が要塞を管理せねばならぬ。 動くなど持っての他だな」
頭を痛めながら、彼は、要塞へとワープをするのだった。
【ヴィルヘルム・ミカムラ@メタモルファンタジー(エスクード) 鬼 状態△(病み上がり) 所持品 無し 】
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