無題






横田の乱闘を影から眺めていたものがいた。
川崎恵、その人であった。
ヤツは横田の一挙手一投足、そのすべてを自らの持ちうる原画能力により
克明に記録していた・・・!

川崎「ああ、龍牙たんがなげとばされましたっ!これは大変でする」

などなど、と。
後日、川崎がその絵を横田に見せる。

横田は―――

横田は泣いていた。
今まで自分を只のデブだと思っていたが、こんな肉体美を持っていたとは・・・!

横田は、今までの自分が愚かしく思えた。
横田は原画の道を捨てた。
格闘こそが我が人生と感じた。

彼は一人、いずこかへと旅立っていった。
修行の旅に出る、そう言い残して―――

横田守 失踪

【残り11人】




前話   目次   次話