お題・自分の出したいマイナーキャラロワ1
「はははははははは!! 昂ぶるぅぅぅぅ! 昂ぶるぞぉぉぉぉぉぉ!!」
本来の武器とは違うものの、使い勝手の似通った武器――ダブルセイバー@TOSを振り回しながら、戦慄の暴将・呂布トールギスは咆哮した。
今、自分の眼前にいる生き物が何者かは知らない。知らないが、分かる。目の前の侠(おとこ)は、自分と同じ存在なのだと。
戦いを、強き者との戦いを求めてやまぬ戦士なのだと、これまでの20合にも及ぶ打ち合いで看破した。痛感した。直感した。理解した。
しかも、この侠は……強い。今まで自分が戦った誰よりも強い、強いのだ! 紅蓮の覇将軍よりも! 龍帝剣よりも!!
故に、言葉は交わさぬ。言葉は要らぬ。必要なのは、目の前の侠とぶつかり合えるだけの力と技のみ――!
「魂ぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」
魂の咆哮を叫び、呂布は己が求め、恋焦がれてさえいたであろう強敵との戦いに没頭した。
「く、くく……くはははははは」
笑いが、止まぬ。
己の相貌が、如何なるものか、分かってはいる。戦場に似合わぬものであろうと理解している。
それでも、笑ってしまう。
こんなことは……己が『大陸一の兵法者』と呼ばれる所以になった戦い――オンタナ、テラトーの森の“森守”と戦ったとき以来。
否、あの時以上だ。
手に握った剣を、更なる力を込めて握り締める。
森守は、人語を解さず、ただ圧倒的な力を見せ付け、自分に恐怖と飢えを残したのみ。
だが、目の前のこやつは違う。
明らかに人とは違うモノ。その力も、人間を超えたものだ。
なれど、その身に同じモノを棲ませ、同じものに飢えて、渇いている。
時を超え、世界を超えて出会った、異なる種族の化物に同じものを見出し――飢えと渇きを、互いに満たさんと欲し合う。
なんという僥倖。なんという珍奇。なんという奇縁。
これを逃す手などあるまい。――ファン、すまぬが私は……或いは、ここで散っても満足やも知れぬ。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
朋友へ詫びながらも、しかし、トゥバン・サオノは歓喜の咆哮を上げた。
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