宙よ立て!






「くそっ、何がどうなってやがんだ!」

司馬宙は一人支給された機体の中で激昂していた。
突如この場に集められたうえ、最後の一人になるまで戦えなどと言われれば怒るのは至極当然の行為だ。
そのうえ彼に支給された機体は武装の一つも付いていないボスロボットという、名の通りボロボロの機体だった。
車のハンドルで操作するのでレーサー志願の宙にとっては操縦しやすく、
機体の中に置いてあった冷蔵庫の中に食料が入っていたのは救いではだったが。

「こんなロボットでどう戦えっていうんだ、
こんな殺し合いに乗る気はねぇがこれじゃ襲われたら一発で終わりだ!
クソッ、せめて鋼鉄ジーグになれたら・・・まてよ、もしかしたら・・・!」

そう言うと宙は携帯食料が入ってる簡易のデイバックを漁った。
もしかしたらこのバッグにアレが入っているかもしれない、そう願いながら漁った結果

「あった、あったぞ!手袋だ!」

それはバッグの底で見つかった。宙の探していたものは手袋だ。普通の手袋に見えるが宙が
変形するために欠かせない手袋だ。彼に弱い機体が支給された理由はこの手袋のためだろうか。
しかしビッグシューターから射出されるジーグパーツが無いと鋼鉄ジーグにビルドアップすることはできない。
宙はとりあえず手袋をハンドルの近くに置いて考える。

「それにしてもあいつは何なんだ?ハニワ原人ではなさそうだから邪魔大王国とは関係ないのか?
畜生、誰なんだアイツは、何が目的なんだ、何がなんだかサッパリわからないぜ!」

宙は畳の上に寝そべり目を瞑り冷静に今分かることを考えてみることにした。

(ヒメカが関係してないとすれば、他の邪魔大王国の連中もいるかも知れないってことか、
ハニワ兵士ぐらいなら何とかなるがイキマやミマシがいたらそれこそ厄介だな・・・
・・・まてよ、俺がここにいるってことはミッチーも巻き込まれてる可能性があるってことじゃねぇか!)

宙は畳から跳ね起き、ボロットのハンドルを握る。

「こんな所でじっとしてる場合じゃなかったぜ、早くミッチーを探さなないと危ねぇ!」

動かしてみたら意外と扱いやすく、難なく操縦できた。
ボロットを前進させながら周囲を注意深く見渡していくと
遠くではっきりと見えないが戦闘機らしき機体を一基とらえた。

「あれは・・・まさかビッグシューター!?本当にミッチーが・・・!」

その機体は宙が探していた機体、ビッグシューターだった。
探していた機体がすぐさま見つかるとは天の救いか、宙はビッグシューターにすぐさま向かった。
どうやら向こうもこちらを発見したらしくボロットの方向に近づいてくる。宙はボロットから降りパイロットに呼びかけた。

「ミッチー、乗ってるのはお前か?俺だ、宙だ!返事をしてくれ!」

その呼びかけに応じるかのように若い女性の声が返ってきた。
しかしビッグシューターから聞こえたその声は彼が待ち望んでいたパートナーの声ではなかった。

「ミッチー?ミッチーって誰・・・?じゃなくて、私の名前は光、獅堂光。
あの、龍咲海っていう人と鳳凰寺風っていう人に会いませんでしたか?」

【一日目 12:25】
【司馬宙/ボスボロット】
【パイロット状態】 若干の焦り
【機体状態】 EN95%
【現在位置】 E−5
【思考・状況】
1:ミッチーじゃないのか?
2:殺し合いに乗るつもりは無い
【備考】
ハニワ幻人や美和もこの場にいる可能性があると考えています。

【獅堂光/ビッグシューター】 
【パイロット状態】 良好
【機体状態】 EN90%
【現在位置】 E−5
【思考・状況】
1:目の前の男と会話
2:海と風を探す
3:あのロボット何だろう?
【備考】
第一部途中からの参加です。
魔法は一応使えますが使ったらかなり疲労し、威力も落とされています。
海と風も巻き込まれていると思っています。



パイロット解説
【司馬宙@鋼鉄ジーグ】
鋼鉄ジーグの主人公。自分の知らぬまに父 司馬遷次郎の手により
サイボーグにされ、銅鐸の隠し場所にされてしまった青年。
「チェンジ・サイボーグ!」の掛け声と共に手にはめた専用グローブの拳を合わせると、
等身大の戦闘スタイル・サイボーグになり、その時体を丸めた体勢をとると、巨大ロボ・鋼鉄ジーグの頭部に変形する。
家族思いで、熱く突っ走りがちな性格である。

【獅堂光@魔法騎士レイアース】
魔法騎士レイアースの主人公。明るく元気いっぱいで誰とでも仲良くなれる性格だが、言い出したら聞かない
頑固な一面も持つ。動物と意思疎通がとれる特技があるがあり
メインの3人の中で1番運動神経がいいが、身長が低めで、幼く見えるを少し気にしている。
「炎の矢」「紅い稲妻」など、炎に関連した魔法が使える。

機体解説
【ボスボロット@マジンガーZ】
ボスがマジンガーZに憧れて光子力研究所の3博士に協力させて作らせたロボット。
最初は「ボスロボット」と呼ばれていたが今は「ボスボロット」で定着している。
ロボットなのに感情が豊かで人のように動き、喜怒哀楽を表現する。
単純に力だけみたらマジンガーZと比肩するが、機密性に問題あり。

【ビッグシューター@鋼鉄ジーグ】
鋼鉄ジーグ用の支援、およびパーツ射出機。ジーグパーツを数体分格納しており、瞬時に換装が可能である。
武装はミサイルのみだが、マグネットパワーを使用しているらしく「ブレイクアウト」の掛け声で
機体を3分割して緊急脱出したこともある。



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