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さて。
俺は自慢じゃないが体力に自信は無いし自信が無いというか体力が無い。だから例えば支給品に
今回俺が与えられているようなデカブツを与えられても、持ち歩ける余力なんてあるわけが無いの
である。疲労の溜息を吐きつつ草間の陰に座り込むと、俺は漸く歩くのを止める。
俺の支給品はやたらでかい。なんたって鞄に入り切らないから剥き出しで渡されたくらいである。
生半可なでかさじゃないしでかさは伊達じゃない。スタロワ・ハカロワと見てきたがこれより強い
武器は中華キヤノンくらいしかないと思う。しかもこれはかっこいい。柏木耕一がやったようなみ
っともない真似はやらなくても良いんだ。そいつは素敵だうん。
で、こういう兵器を与えられるということは今回俺はマーダー役をやれって言われてるようなも
んなのだが、しかし重い。重くて持ち歩けない。ハカロワを書いたり読んだりしていつも思ってい
たがどうして葉鍵キャラはあんなにたくさん武器を持ち歩いても疲れないのだろうか。あれ。今俺
禁句言いましたか。ごめんなさいすいません。ともかくだ。幼女が好きでSNOWで桜花とのえっち
シーンが無いことに激怒したりするタイプの人間である俺がこんな武器を与えられてどうするんだ。
支給品は四点セットである。黒のサングラスとスーツ、拳銃、そして――巨大な十字架だ。
「――アレか、」
覚悟を見せてみろッ! L.A.R.・ザ・パニッシャーっ!!
「トライガンかよっ!!」
どちらかっつーとギャグキャラ寄りの俺にこんな支給品か。有り得ねえ。こういうのは挽歌氏とか
林檎氏とかにでも持たせとけっつーか。俺にはやっぱりピンクの傘とかがお似合いじゃねえか?
ふと自虐気味に思うがしかし思っても仕方がない。
「――しゃあねえ」
俺、L.A.R.は今回はマーダーということになるのか。体力は無いし幼女は好きだし少女も好きだ
がそれでも俺は殺人鬼なのだ。殺したり逃げたり逃げたり逃げたり逃げたりして生き残って家族計画
とかSNOWとかのアニメ化やCLANNADの発売を待たなけりゃいかんのだ。
「末莉が動くところを見るまで死ねるかっ!!」
草間の陰で俺は決意していた。
【L.A.R. 支給品:パニッシャー・拳銃・サングラス・黒スーツ】
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