黄金竜






波打ち際に一人の男がいた。
ゆったりとした青い服に身を包みんだ金髪のおじさん。
若いころはかなりの美形であったことをうかがわせる整った顔立ち。
しかし彼は人ではない。
神話の中のみに生きる伝説の生き物ドラゴンである。

「冥王フィブリゾ・・・か・・・」
美形中年―ミルガズィアは恐れも入った声で呟いた。
ミルガズィアはまず周囲の状況を確認した。
ザックの中の支給品を確認する。
一つ目、黒と赤のダーツ。黒が1本赤が7本。
特に役に立つものではない。
暇になったらこれで時間をつぶせ。そういう意味だろうとミルガズィアは解釈した。
二つ目、黒い指輪。
使い込まれているのか手垢がところどころに付着している。
「なかなか良いものらしいな」
口元に微笑を浮かべながら指輪を左手につける。
「しかし・・・フィブリゾ、一体なにを考えているのだ?」
微笑を一瞬で消す。そしてミルガズィアは足を組み瞑想を始めた
(金色の魔王の復活・・・違う。殺し合いをしてリナ・インバースが生き残るという保証はどこにも無い。
赤眼の魔王の復活・・・違う。我の世界とは違うものを呼んだところで復活する可能性は皆無だ。
ただの暇つぶし・・・やりかねんことは無いがわざわざこんな世界を創ってまでやることは無いはずだ。)
「ならばやはり偽者・・・もしくはフィブリゾの後ろには魔王級の力を持ったものがいることになる・・・それほどの力を持つもの・・・」
いつしか声に出しながら考え始めた。
「名簿には神凪綾乃のなどのわけのわからん名前の者がいた、ということはフィブリゾの後ろにいるものは異世界のものの可能性もある」
ぶつぶつと呟き続ける。
「リナ殿とガウリィ殿の名前も幸いある、あの二人なら何とかなるやもしれんな」
そう最後に呟いてミルガズィアはザックをからい波打ち際を移動し始めた。

【H−8/海岸線/一日目/朝】
【ミルガズィア@スレイヤーズ】
[状態]:冷静
[装備]:指輪
[道具]:支給品一式、ダーツ@オーフェン(無謀)黒叡の指輪@伝説の勇者の伝説
[思考] :基本 リナ・ガウリイとの共闘を目指す。
   1、リナもしくはガウリイとの合流
   2、フィブリゾの陰謀阻止
   3、このゲームの目的を知る。

[備考]:本人は指輪に力があることを知りません。
    発動方法も知りません。
    中立の立場を保持。
    コンスタンスとかなり近い位置にいる。現在双方とも気づいていない。
    細かい能力は次の方にお任せします



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