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そこはまばゆいばかりの光に満ち溢れていた。

光に少し慣れうっすらと目を開くと見たことも無いような美しい景色が広がる。

極上の宝石のような輝くお花畑が一面に広がり色とりどりの光の蝶が舞い飛んでいる。

空気は澄みきっておりこれまで一度も感じたことが無いほど清々しい気分。

しばらくするといままでに聞いたどんな音よりも心地良い声が聞こえてくる。

『ようこそ至福の島へ♪』

『ここはあなた達がいた世界とは全く違う世界です』

『ここには時間の流れがありません。ここでどれだけ過ごしたとしてもあなた達がいたもとの世界では時間が経過せず、あなた達が歳をとることもありません』

『みなさんにはある目的のためにここに集まっていただきました』

『みなさんにはこれから、全員が心の底から最高に幸せになるまで「「幸せにし合い」」をしてもらいます』

「幸せにし合い」?とは? しかしここに集まっている者達にはそれぞれなにか思い当たる所があった。

ある者は出会った者を敵味方問わず幸福にし、ある者は攻撃手段として相手をしあわせにする技を用いる。

そういった何らかの形で「幸せ」にかかわりを持つ者達が集められていたのだ。

『あなたたち全員に支給された透明な「羽」はあなたたちが心の底から本当の意味で幸せになると白く光り輝くようになります』

『その「羽」が全て白く光り輝いた時、一番たくさんみんなをしあわせにしたかたには、とってもいいものをあげます♪』

『制限時間は無制限。手段は全てお望みのままにどうぞ。この世界の施設やアイテムは全てご自由に使用していただいてかまいません』

『みなさんにはもとの世界とここを自由に行き来する能力が付加されています。もとの世界から新しい協力者をお連れしてもOKですよ』

『協力して数人で誰かをしあわせにした場合、それをおこなった全員にポイントが加算されるのでだれも損をすることはありません』

『ただし「しあわせにする」以外の攻撃手段や通常の戦闘は一切行うことが出来ません』

『そのかわり傷つくこともHAPPY以外のステータス異常にかかることもありません』

『この世界では望むだけであなた達の望む物体が構築され生活や行動に必要な簡単なものはご都合主義的に全て用意されるでしょう』

次の瞬間全員が光に包まれそれぞれこの世界で自分にかかわりのありそうな場所にテレポートしていた。

『でははじめのアイテムを支給します。みなさんがんばってくださいね』

そして天より目の前に幸せを呼ぶ聖なる光条が注ぎ、ラッキーアイテムの山とドラえもんのポケットのようなものが出現した…。



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