無題






「アーアー、テステス」
ヴァンは支給品の拡声器を取り出すと全く迷いもせずに放送を開始した。
「孤高を越えて恨みます!」


「この声はヴァン!なになに、心を込めて歌います……だと?」
放送が聞こえた人のうち、ちゃんとヒアリングできたのはバッシュ一人だけだった。
「なるほど、マイクを持つと歌いたくなるダルマスカっ子の悲しい性という訳か」
よくわからない納得の仕方をしているとヴァンの歌声が半径1〜2kmくらいに渡って鳴り響いた。
ソース美味いとかアナルからとかきしめんとか聞こえたけど、歌詞はこの際どうでもよかった。
「ぐは、耳が!ミミガー!」
いきなり耳から血がドバーッと飛び出したのでバッシュは耳を押さえて苦しんだ。
「これは、音の振動にミストを込めて聞いた者の精神や神経や体調を狂わせるというわざ……闇音波!
 このようなライセンスを内緒で取得していたのか!つまりヴァンは殺し合いに乗っているのか!
 大変だ、この歌を聞いた者はヒアリング出来ていようがいまいが全員……ぐはー!」
バッシュは解説しながら出血多量で死んだ。他にもバタバタと色んな所で人が死んだ。


「あ、電池切れた。もーイラネ!」
ヴァンは歌い終えると拡声器を燃えるゴミに捨てた。
ヴァンはゴミの分別をしないワルだった。

【ヴァン 生存確認】

【バッシュ 死亡】【アストス 死亡】【トパパ 死亡】【ジオット 死亡】
【ミド 死亡】【カタリーナ 死亡】【シエラ 死亡】【ドドンナ 死亡】
【スティルツキン 死亡】【ベルゲミーネ 死亡】




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