始まり。そして―






ざわ…
   ざわ…
なにやら周りが騒がしい。
目を開けてみる
―ここはどこだ。みたこともない場所だ
周りにいる奴らも状況が飲み込めていないらしい
そんな中、
「ドゥハハハハ!俺様はなぁ、賞金稼ぎのアイアンクロー様よ!」
ひどく癇に触る声で一人の男が叫んだ
そして続け様にその男は信じられない発言をした
「これからお前達に殺し合いをしてもらう!」
一瞬で会場が騒がしくなった。いきなり殺し合いを命じられれば無理もない
そんな中、一つの黒い影が刀を振りかぶり物凄いスピードでアイアンクローに突進していった
その黒い影はセフィロスと言ったのだがフリオニールは知る由もない

うぃんうぃんうぃんガッ!

なにやら奇妙な音がしたかと思うと黒い影はその場に崩れ落ちた
「ドゥハハハハ!俺様に逆らうと必殺のデスクローでこの男のようになるぞ!」
「く…、くっそー…!」
セフィロスは、そのアイアンクローと名乗る男に斬りかかりたいが、体が痺れて動かなかった。
「セフィロス!」
クラウドが駆け寄ってきた。本来はいがみ合う仲なのだが、
自分以外の他人に傷つけられるのを見て、思わず心配してしまったのだ。
セフィロスは、そんなクラウドを忌々しげに見やった。
クラウドより遥かに強いはずの自分がそのクラウドに思いやられているのだ。
ひどく不快だった、プライドを傷つけられた。
「うおおおおっ!」
セフィロスは床に刀を突き立て、がむしゃらに無理矢理立ち上がった。
―が、しかし。そこから体が動かない。立つだけで精一杯だった。
「おい、あんたセフィロスって言うのか?無茶するんじゃない」
その様子を見ていたフリオニールが声をかけた。
―と、突然、
「ドゥハハハハ!」
と笑い声が彼らをさえぎる。
「無様よのー、ソルジャークラス1st、かつての英雄ともあろう者が!」
セフィロスは嘲笑に耐えるしかなかった。

「さて、いつまでもままごとをされても困るのだ。殺しあってもらうぞ。
 お前達の意思がどうあれ、このデスゲームに乗るしかないのだ。
 自分達の首を確認してみろーーーっ!!!」
デスクローは大仰なモーションをつけて叫んだ。



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