無題






彼はひたすら待っていた。


長身、白い肌、高い鼻――比較的整った顔立ちと云えないことも――ない。
穏やかな陽の降り注ぐ公園の砂場。
青いジャージの男は転げて転がっていた。転げ回っていた。

――あれ、おかしな…?
いつもならとっくにこう尋ねられる筈なのに――

「おじさん、何してるの?」と



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