無題
白髪頭の老婆、園崎お魎は森の中をゆっくりと歩いていた。
雛見沢御三家の現頭首として、そしてかつてのダム計画反対運動でのリーダーとして培われた屈強な精神はこの程度で揺らぐものではなかった。
しかしそれも精神は、だ。さすがの彼女の体も早速悲鳴を上げ始めていた。
それでもお魎は歩を進める。一体何が彼女を突き進めるのだろう?
先ほど名簿を確認した彼女は参加者の中に公由喜一郎がいるのを知った。
彼は昔からの好であり共にダム計画と戦った戦友でもある。それ以下でもそれ以上でもないのだ。
だからこそ心配なのだ。七十を超える老体でこんな場に放り込まれてきっと彼奴は困っているだろうと。
そう、彼を心配する気持ちがお魎の背中を押すのだ。
しかしお魎だって年頃の老婆。
「別に彼奴を心配して探してるわけじゃないんじゃ……」
【園崎お魎@ひぐらしのなく頃に 生存確認】
昨今語り尽くされた感のあるツンデレキャラ。
しかし、お魎の公由への長年の思いが昇華して生まれたツンデレは、
そんじゃそこらのツンデレとは一線を画してることは明らかでしょう。
お魎と公由が再開できることを心より願っています。
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