無題






我が名は(元祖仕様)バキュラ。不壊神話を持つ無敵の板である。
今、我は紫の髪の女を追い回している。女はイカロス砲とかいう
大砲を担いで、逃げては撃ち逃げては撃ちを繰り返している。
ふん、無駄なことだ。我は、幾千幾万のそういう「無駄な努力」を
浴び続け、それでも尚、不壊神話を守り続けた板なのだ。時空を
歪めようが惑星を破壊できようが巨大な宇宙要塞に穴を開けられ
ようが、「不壊」の前には関係ない。
だがまあ、これは一発必死のSTGではない。女が力尽きたら、
身の程を思い知らせる為にじっくりいたぶってやるとしよう。
前回での敗戦を教訓に、今回は生身の肉体を創って参加している
そうだしな。楽しみだ。ふふふふ。
ん? 女め、立ち止まって振り向きおった。最後の悪あがきか。
「敵はバキュラ。移動パターン解析終了。256発目、照準固定」
え? ちょ、ちょっと待てっ! それはスクロールの都合上、絶対に
不可能だからというただの冗談で、
「発射」

(元祖仕様)バキュラは最初で最後の「破壊」を味わいながら、
思い知った。……これは一発必死のSTGではない。

【『ゼビウス』 バキュラ 死亡(破壊)】
【『銀河の三人』 ミオ 勝利】



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