無題






二人がここで出会ったことは、必然だったのかもしれない。

「久し振りだな、テトリス」
「まさか、こんなところで出会うとはな、コラムス」

「会う度、会う度…名前を待ちがえるんじゃねえ! 俺の名はKLAXだッ!!」
「落ちつけよ…相変わらず短気なヤツだな。で、今日は何の用だ?」

「用なんて一つしかないだろう。ここは戦場だぞ?」
「勝負しろってことか。お前とは、一度戦ってみたいと思っていたんだよ」
「俺もだよ…だが、こんな形で戦うことになるとは思わなかったがなぁ」

共に同じ道を歩んできた二人。
すれ違うことはあれど、同じ戦いの場に立つのはこれが初めてのことであった。
パズルゲーム異種頂上決戦が、今、始まろうとしていた。

「じゃあ、早速戦うか」
「そうしたいんがなぁ、お前のブロックと俺のパネルを投げてくれる奴がいねえんだよ」

「それなら問題無い、うってつけの奴がこの場所にいる筈だ」
「うってつけだと? そんな奴がいるのか?」


「私を呼んだかな、テトリス君?」

「お、お前はマリオッ!?」

「それでは、勝負開始ッ!」


「ヤタ━━━!! テトリス、キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!」
「うぉぉぉ!! 一気にパネルが降ってきやがった―――!!」

「ウヒ━━━!! テトリス、マタキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!」
「くそぉぉ!! パネルの量が多すぎて捌ききれね―――!!
とりあえず、消せるものから順に消して………って、消えね―――――!!
マリオ―――ッ!! どういうことだ―――――――――――――――ッ!!」

「KLAX君、君はメガドライブ版のみに存在している対戦モードのことを忘れているのかい?」
「メガドライブ版だと…?俺は根っからのアーケード派だ!」

「そうか…なら教えてあげよう、対戦モードで相手がまとめ消しした時に送られてくる黒いタイル、
これはどうやっても消えないのだよ!」
「な、なんだって――――――――!! ブギャァァァ!!!!」

「流石だな、マリオ。何も言わずとも解っていてくれたか」
「当たり前だろう、GB版でお前のブロックを投げていたのは、私だからな」


「ところでマリオ、何でアイツの黒いパネルは消えないんだ?」
「メガドラ版がナムコ製だったからさ」
「どういうことだ?」
「ナムコといえばゼビウス、ゼビウスといえば………?」


「バキュラッ!!」

【KLAX 死亡】



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