スカトロ話1






「うんこ食べてみろ、そうすれば見逃してやってもいいぞ」


 ジョウト地区のジムリーダーを倒したことで、私は油断していた。
 まだ日が出ておらず、真っ暗の中、自信まんまんに道路を横断するからだ。
 そう自戒したところで、状況は変わらない。
 あっというまに、モンジャラの「くさのムチ」で地面に這い蹲る羽目となった。
 目の前には、あの男がさっきひねり出した糞。
「無理に決まってるでしょ!」
「なら、殺すまでだ」

 殺す? 当然だ、その通りだ。このまま、ちょっと穴に出し入れされるだけで、返して貰える
わけがない。なにしろ、今は殺し合いゲームの真っ最中なのだから。
「た、食べれば殺さないの?」
「ああ、ちゃんと租借し、嚥下し、消化したら、見逃してやる」
 死ぬのは嫌だ。まだ、カントー地方のポケモンをゲットしてないし、なにより好きな人だって
ゲットできちゃいないのに。
 でも、あのニンジャみたいな格好をした男の糞を食べる、それも飲み込むんじゃなくて、食べる。
「無理! 絶対無理! おねがい、他のことなら何でもしますから!」
「わかった、なら、それを下の口で食べろ」
 し、下の口……?
「そ、そんなのもっと無理に決まってるでしょ……」
「わかったしね」
「わ、わかりました! 食べます! 下のお口で食べます!」
「食べさせてください、キョウ様、だろう?」
「たべさせてください、キョウ様」
 手だけは解放され、足は大きくエムの字に開けられる。
 自分で詰めろ、ということだろう。
「さっさとやれ」
 手でつかむ。まだ出したばかりだから、暖かい。
 反射的に鼻をつまみたくなるが、モンジャラによって、ジャマされる。
 匂いが鼻というより、脳に響く。
 臭い。

「大丈夫ですか?」
「は、はい、助かりました」
 あの後、結局下の口だけでなく、おしっこの穴にまで糞を詰められたものの
 彼女――エリカというカントーのジムリーダーらしい――に助けられた。
 幸いにして、彼女はあの男に対抗できる、氷系のポケモン連れていた。
「ほ、本当にありがとうございます」
「いえ、そんな、それより、その、えーっと何といいますか、股間を洗った方がいいですわよね?」
 彼女に言われて気づいたが、確かに私の股は茶色のパンツをはいたように、糞が塗りたくられていた。
「ですが、水場はありませんわね」
「大丈夫です、ヒトデマンが支給品だったんです」
 だからこそ、アイツのモンジャラにやられてしまったのだ。
「そうだ、私の糞を上から塗ればいいんじゃないでしょうか?」
「え? ええ? いえ、ですから、ヒトデマンにみずてっぽうで」
「私のおしっこで洗い流したあと、またコーディングしてほしい?
 わかりました」
 そういうと、パルシェンの「冷凍ビーム」で私は身動きが出来なくなっていた。
「さあ、まずはおしっこです」
 着物をはだけて、彼女はたったまま、私の鼻目掛けて尿をし始めた。
「ふわ、ふわっ、や、やめてください!」
「駄目です、まずはあの腐った男の糞の匂いを、鼻の穴から掃除しないといけません」
 エリカは着物をだらしなく、脱ぎ始めた。
 着物を着ているというより、体にかかっているという感じだ。
「さあ、次は足の裏ですよ」
 私はまんぐり返しの状態で、手を地面に冷凍された。
 恥ずかしい所はかろうじて、キョウの糞で隠れているけど……
 やっぱり、恥ずかしい。
「ちょ、ちょっと、もうなにするのぉ……」
「今度は足の内側を掃除するのです」
 そういうとエリカは、私のくるぶしに座った。
 あったかい、彼女の肛門がパクパクと閉じたり開いたりするのを、右足の内側で感じていた。
「なんで? なんで、ここを掃除する必要があるの?」
「健康の秘訣は足からだからですよ」
 いい終わらない内に、ツンとした刺激臭が、鼻ではなく肌で感じられた。
 それから後を追うように、右足全体がもっと暖かくなる。
 みずっぽい彼女の下痢糞は、足からポタポタと、糞液を私の顔に落ちていく。
「いやー、もうお願い、許して!」
 そんな言葉を聞き入れてもらえるわけもなく、私は彼女の糞汁が冷たくなっていくのを感じていた。



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