再開の一歩になることを祈って
俺は問いかけた。
「あー挽歌さん。挽歌さん」
「どうしましたか、にいむら少年」
やっぱり、こいつの余裕ぶった言い方が嫌いだなあ。林檎の方が本音でぶつかった分、理解できる所があったが、こいつは駄目だ。何かスカしてやがる。
「エロ本談義もいいが、ここがどこだか忘れてないか? あんまりナメてんじゃねーぞ!」
あまりにもむかつくので、脅し+ガンつけのフルコースで威圧してやった。
なのに、こいつらときたら。
「若いですねぇ」
「ああ、俺にもこういう時があったな……」
とか言って和んでやがる。
「お前らと俺らを重ねるな、ジジイ!!」
声を張り上げるも効果が無い。くそ、やっぱりこいつら嫌いだ。
その時だった。
「あーもういいよ、にいむら」
隣にいたマナーが俺の横に出ると同時に、そう呟いた。
「いいって……何がだよ」
「どうせ、俺ら悪役なんだしさ。楽しく残酷にいこうぜ」
その声はマナーの物には違いなかったが、どこか、こう、
怖かった。
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