未来を選べ
「う、うう、、うううう〜」
声を押し殺して泣きつづける、24番赤目。
自分は平凡ではあるが、不自由のない人生をおくれると信じていた。
大型テレビ、クイズショウ、低コレステロール、、
ところが今自分が手に握ってるものといったら、まったく非日常なのだ。
仕込杖。これが赤目の支給品だった。
赤目は割りと顔立ちがよく、女の子みたいなところがあったのでいじめられていたが、
いざというときには力を発揮できるタイプだった。
全ては自分の生活を守るために。
しかし、今回ばかりはさすがに足がたたない。
ガサッ、、、
不自然に茂みが揺れる音を聞き、赤目の体がビクッと揺れる。
それでも素早く身構え、音の方向を凝視した。
はあ、はあ、はあ、、、、
汗が吹き出る、鼓動が早くなる、、
仕込杖を半分抜きかけたところで再び茂みが揺れた。そこには、、、、
白い、、ウサギ。
緊張の糸が切れて、赤目はへなへなとしりもちをついた。
ガチャ!!
「!!」
いきなり、後ろから鎖で縛られた。
ぎしぎしと食い込む鎖に顔を歪めながら、振り返ると。
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