デイライト
光かがやく海の前に立ち、砂浜の上で空を見上げる男、バッツ。
リゾート地にでもやってきたかのような気分だが、それはゲームの始まりがあまりにも
唐突だったため、未だその気分になれないのからだった。
遠海に汽船でもないかと探し求めたが、そんなものはどこにもなく、
時おり見える小さな藻屑が一種の寂しさを浮かべて漂うだけであった。
ため息をつきながら砂のピラミッドを棒でつっつくバッツ。
まだ行動する気になれない彼はこんなことをして遊んでいたのだ。
「ようやくエクスデスを倒したと思ったら……」
世界は平和になってめでたしめでたし、とはならなかった。
脅威は再びやってきた。
「んが……」
バッツは遠くから聞こえる地響きに気付いた。
「おい……」
段々近づいてくる。
「……こら」
それはそれは大きい、飛竜の数倍の体長ほどもある巨人だ。
「なんで来るんだよ」
バッツは荷物をまとめて逃げ出した。
「冗談じゃないぞ!」
バッツに迫りし脅威の正体は、断罪の暴君ゼロムス。
天地を引き裂きそうな巨大な鋏を掲げた蟹座の暴君は砂埃を上げながら暴走していた。
召喚者の命令を完全に無視しているのだ。
そのゼロムスの肩につかまり必死で制止しようと涙まじりで訴える人間がいた。
彼こそゼロムスの召喚主、その名はヴァン。
一人では心細いので話し相手にゼロムスを呼んだところ、この大陸を取り巻くミストの流れが
思ったよりも膨大だったため、ヴァンの言うことを聞かず暴れだし制御がきかなくなってしまった。
「おーい、頼む、俺の話聞いてくれよぉーーーーーーーーーーっ」
【E-8/海岸/朝】
【バッツ@FF5】
[状態]:健康
[装備]:最強の短剣
[道具]:宝の地図、神殺しの紋章
[思考]:ゼロムスから逃げる
【ヴァン@FF12】
[状態]:MP1/3、ゼロムス召喚中
[装備]:なし
[道具]:拡声器(変声可能)、バルカン砲、睡眠薬
[思考]:ゼロムスの暴走を抑えたい
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