真っ白な対主催誕生!その名は…






(……死ねということか……この体……歩くこともままならないこの体で……)

椅子に座る老人、僧我三威がそう思うのも当然であった。頭には毛というものはほとんどなく、老眼鏡をかけている普通の老人
年を取りすぎて普段の生活は車椅子使用を余儀なくされている。
立って歩けないわけでもないが、五分も連続で歩くとこはできない、恐らく幼児にも負けるスピードでしか歩けないだろう。
だが、そんな一見普通の老人である彼も赤木が現れるまでは裏世界最強と呼ばれた男……十数年もの長期にわたり勝ち続け、無敗を誇った伝説の存在である

(クククッ……しかし、よかったかも知れん……)

よかった、この言葉にはある男が深く関わっている。
その男の名前は……赤木しげる
僧我は十数年もの間、闇の王として君臨していた
しかし、その経歴も後に裏世界に君臨した赤木しげるの華やかな活躍の前では霞んでしまう
決して僧我自体が劣っているわけではない、赤木が神がかっているだけ
それ故、赤木に対しては憎悪にも近いライバル心を抱いており、幾度となく赤木と直接対決にて決着を付けようとした
それこそ、「東」の裏プロ達と「西」裏プロ達が雌雄を決する「東西戦」という全国区の争いの場でさえ
僧我にとっては赤木との対決の場であった。だが、その結果は……僧我の満足できるものではなかった。

(わしの無念……あの男にはわかるまい……例の東西戦……わしは奴よりも、先の戦いに生き残った……)

東と西の両陣営に分かれた「東西戦」は6対6
まず、予選からはじめ合計12人から6人まで減り
次に、決勝……これは6人から4人まで減った
そして、その時に脱落した2人の中の一人は赤木しげるだった。
僧我は当然のごとく、次のステージへあがった。

(わしはあの時、あの男を超えた……そう思った……だが、世間の評価はまるで逆……!
 そんなことはまるで無視し……あいかわらず……奴の方がわしより格上扱い……!)

それが許せない、許せなかった。
これから先も許せないと思っていた。
だが、そんな僧我の元に赤木の葬式という馬鹿げた話が振ってきた。
実際、その葬式にいってみると赤木は生きていて、死ぬ前に知り合いの顔を見たいから葬式をしたという……
僧我は一瞬、安堵に包まれたが、話を聞くうちに事情が変わってきた。
赤木は今死ぬというのだ、今、東西戦での敵味方と最後の会話を果たしたのち、死にたいと……
……駄目ッ!……許さない……勝ち逃げは許さんッ!!
その思いで、赤木との面談を待っていたつもりだったが、気が付いたら、何の因果かこんなわけの分からない舞台にいた。
しかし、僧我にとっては好都合


(クククッ……赤木……おどれとの最終対決やッ!……勝負せいっ!)

そう、赤木との最終対決。
赤木だけでなく、僧我も年を取りすぎている、間違いなくこの舞台が二人の最終バトル!

(……奴のことだ、死ぬ前に大きな勝負をするつもりだろう……ということは狙いはあの桐間という奴との勝負のはず
 ……させん、させてたまるか……最後の勝負はわしとや!……いや、それだけじゃ気がすまん……完膚なきまでの勝利の為には)

赤木に対する完全勝利、それを達する条件が脳内を駆け巡る

(……奴の性格からして、このギャンブルに乗ることは間違いない……ならわしはそれを阻止する!……このギャンブルを破壊するッ……!
 それや……それこそが赤木に対する完全勝利ッ! ドラゴンボール……殺し合い……そんな奴の好きそうことやらせてたまるかッ!)

僧我の思考は赤木に始まり、赤木に終わる。赤木がギャンブルに乗っているというのは僧我の推論、しかし正解。
どう思考したら、そうなるかは知らないが彼のたどり着いた答えはギャンブル……バトルロワイアルの破壊
赤木が乗るなら、僧我は背く。あくまで赤木に拘る僧我は単純にそれでいいと判断する。

(わしの命を賭けた赤木との勝負……クククッ、待っていろよ)

気合は入るが、身体能力にかなりの不安があるのも確か
そう思いながら、支給品を確認すると中から腕時計のようなものが出てくる。
その謎の物体にはスイッチが付いてあり、僧我は何気なしにスイッチを押してみる。

すると僧我の周りを光が包み込む
……数秒後、僧我がいたところには肩からマントを掲げ、ヘルメットにサンバイザーのついた
一人の正義の味方が生まれていた。

―――その名もグレートソッガマンッ!!!



【C-4 /一日目 深夜】

【名前】僧我三威@天〜天和通りの快男児〜
【状態】健康  正義の味方
【持ち物】ディパック 変身スーツ&バンド@ドラゴンボール(悟飯のグレートサイヤマンのやつ)(基本支給品一式、不明支給品2)
【思考】
 1:赤木に勝つ
 2:バトルロワイアルの破壊



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